2019年2月9日土曜日、ノラヤサイエンスバーvol.18 「人工知能は『こころの目』を持てるか?」が開催されました。

応募開始後なんとその日のうちに定員突破、みなさん、人工知能にとても関心が高いのですね。

これはぜひ多くの方に参加していただきたいと、ノラヤを飛び出し、国分町のレンタルスペース『JAM』をお借りしました。

立春すぎてまさかの寒波襲来、冷たい風が吹き付ける中、17名の方にお集まりいただきました。

ノラヤサイエンスバーといえば、美味しいお料理とお酒ですね。メインは前回好評だった「 Einberg(アインベルク)」さんのハム・ソーセージ盛合せ。個人的には燻製ミックスナッツが大ヒットでした。また、サイエンスバー定番の「yuji弁当」さんのオードブルもボリュームたっぷり。
酒飲み心をくすぐるラインナップでした。

今回の講師は九州工業大学人間知能システム工学専攻教授の古川徹生さんです。はるばる九州から仙台へノラヤサイエンスバーのために来てくれました。

― 古川さん、おつかれさまでした。
当初予定していた定員7名から申し込みが止まらず大人気でしたね。
最初は少人数でマッタリほろ酔い講義を目論んでいたと伺いましたが、いがかでしたか?

古川「《居酒屋風のマッタリAI談義》でわたしもほろ酔いで楽しもうかな~って思ってたんですけど、人数が増えてびっくりしました。
それはそれで楽しい会にしたいなあって思って、スライドもいろいろ工夫して、結果的には盛り上がってよかったです。」

― 時折ズバッと斬り込まれる進行役の佐藤大さんの質問が、おーそこが知りたいところだわーと当を得た感じでしたよね。

古川「ええ。初心者の方がつまづきそうなポイントで質問してくれるので、 とても助かりました。」

― 参加者のみなさんからもいい質問が多かったように思いました。特に印象に残った質問は何ですか?

古川「『みなさん,人の顔はこんな風に見えていると思いますが,AIの場合は……』なんて話をしたら『わたしは違います!』って声が出て。
確かに人間だってひとりひとり見え方は違っているんですよね。
うっかりしていましたが、大事なことを思い出させてくれました。」

― 自由にことばを交わしあえる場って素敵ですよね。

古川「ともかく、質問がバンバン出てくるのがいいですね~。
一方通行の講演ではなく、キャッチボールしながらみんなで一緒に作っていく。それが楽しいし、たくさんのものを学べますよね。
そんな場や空気があるってことが素敵だと思います。」

― 19時から21時半まで、あっという間でしたね。話し足りなかったとか(笑)

古川「はい!イントロで《中国語の部屋》や《爆弾救出ロボット》という、AIでは定番の話から入ったのですが、この時点ですでに盛り上がって。それが大事なんですよね~。
用意していた話は全部できませんでしたが、これは嬉しい誤算です。」

― ズバリ、今回のサイエンスバーで一番伝えたかったことは、何ですか?

古川「《ふしぎって感じること》です。AIのニュースとか見ていると、ただ何か知らないところですごいことが起きてるって思ってしまうけど、それってAIをブラックボックスとして見てしまっているんですよね。
『あ、知能ってふしぎなんだね。人間ってどうしてできちゃうのかな。ふしぎふしぎ』って思うと、いろんなことが楽しく見えてくると思います。」

― AIはブラックボックスそのものではなくて、むしろブラックボックスを開く鍵になりそうだなと思いました。
たくさんのふしぎがあふれでそうです。
AIを知らないもの・わからないものとして遠ざけてしまうより、未来へつながるふしぎを開く鍵としてとらえるほうが絶対面白いですよね。
うん。もっと知りたいなあ。。。

   
では、最後に古川さんにとって『こころの目』を一言でいうならば?

古川「『星の王子さま』の『大切なものは目に見えない』という言葉を紹介しましたが、まさにそれが《こころの目》だと思っています。
目に見えないのに見えるって、とてもふしぎで、素敵だなあって思います。それがみなさんと共有できたのがとても嬉しかったです」

―『ふしぎ』を原動力に人間とAIを結んでいけたらもっと楽しくなりそうですね。
ありがとうございました。

  
古川さんが用意したお話はまだまだあるとのこと、《こころの目》I’ll be backを期待いたしましょう。

参加者のみなさん、古川さん、ありがとうございました。

※今回のレポートは運営スタッフの森さんによるものです。