えー、まずは「辺境」から。
コワーキングスペースは、駅から近く便利な場所にあるのが望ましいとされています。コワーキングスペースの運営は立地がもっとも大事と言う人もいます。しかし、そんなところは当然家賃が高い。そこで、ノラヤはちょっと仙台の中心地から離れています。
辺境という言葉は内田樹さんの著書によく出てきますが、ものごとを中心ではなく少し離れた場所から眺めることで、本質を理解でき、よりうまく立ち回れることもある、ということで「辺境」をとても肯定的にとらえています。
ノラヤも「辺境」の立場が好きな人たちに価値を見出してもらえたら、と考えました。
次に「非バトルタイプ」について。
この言葉は伊藤洋志さん著の「ナリワイをつくる」に出てきました。時間と健康を犠牲にした、最先端を駆け抜け闘い続け、疲れ果てるような働き方をしたくない、そう考えていました。特に震災以降、東北には前向きに頑張らなければという空気がずっと満ちていました。そしてコワーキングスペースといえば起業家やベンチャーが集まってガンガンビジネスが生まれる、若者たちのためのスペースだと思われる節もあるようです。
私はそうでない人のためのコワーキングスペースもあっていいんじゃないかと思いました。闘い疲れてほっと一息つきたいのは、ベンチャーでも起業家でもなく、地道に、ちまちまちまちまと働いてきた人たちです。がんばるのが当たり前の空気の中で、たまにはダメになりたい自分も認めていいんじゃないか。そのあたりの思いも込めて、「非バトルタイプ」コワーキングスペースとしました。